2022年1月
私がフルマラソンでサブ3.5(3:28:14)を達成するために、意識して練習したポイントをまとめてみました。
あくまでも試行錯誤による個人的の経験で、科学的に検証したわけではありません。どれは効果的だった(また逆効果だった)かもわかりません。
サブ3.5を目指す方のみならず、マラソンを楽しみたい色々な方々に少しでも参考になれたら嬉しいです。
① メトロノームで走りを安定させる
GARMINにはメトロノーム機能があります。
ピッチ(テンポ)を振動で刻んでくれる機能です。
自分はいつもピッチ184ぐらいに設定してから練習を始めます。
着地のタイミングを拍子にぴったり合うように走ります。
そうすると、
・左右の力配分
・着地ポジション
・跳ねる高さ
のばらつきがすぐにわかり、修正しやすくなります。
体が安定し、軽やかに走れるようになります。
メトロノーム付きの練習を繰り返したら、
・一定のリズムで
・一定のパワーを放しながら、
走れるようになったので、走りが一気に楽になりました。
②忙しくて練習メニューを守れない時の対策
ランナーのための練習メニューはたくさんありますが、共通のところは、頻度・距離・強度がきっちり決められています。
「〇〇曜日に、〇〇キロを〇〇ペースで。。。」といった感じが多いです。
但し、自分の仕事の都合上、
・決まった日に練習できるとは限らない
・練習できても、時間の縛りがあり、決まったキロ数をこなせない
・酒飲みで二日酔いが頻発。ハードトレーニングすべき日なのに、走る気にならない
などなど、練習メニューを守れない事情がたくさんあります。
何を指標として練習すれば良いか、試行錯誤の結果、GARMINの「負荷」にしました。
一週間の合計負荷がだいたい1500になるように練習を重ねます。
練習メニューに拘らず、
・朝の1-2キロだけでも
・中途半端な距離でも、中途半端なペースでも
・立ち止まって、電話に出てから再開しても
・仕事の合間に1時間を抜けて走っても
・8階にあるオフィスに階段で登っても
・自転車や水泳で代替しても
全てOKにしました。
やれる時にやれることをコツコツ積み重ねていけば、トータル負荷がトータルトレーニング効果につながると信じています。
私の場合、GARMINが薦めた7日間の負荷は1500以下です。
調子に乗って7日間の負荷が1500を超えて練習した時もありますが、その後に足の痛みを感じたり、体調が悪くなったりしたので、なるべく1500を超えないようにしています。
③ 「お腹を使って」走る
横隔膜、背中、腹筋、骨盤辺りの筋肉を意識的に使って走るようにしました。
特に、LSD(Long-Slow-Distance)などでゆっくり練習する際、なるべく足を使わず、お腹メインで走るようにしています。
利点として、
・ランニングフォームが自然に良くなる
・30キロ以降、足が疲れてもお腹周りの筋肉が疲れにくい
・足に負担が少なく、故障の頻度が激減
・足を使う従来の走りと組み合わせれば、スピードが一気に向上
などがあります。
どうやってお腹を使うの?
自分のイメージでは、肋骨から骨盤までのバーチャル足があり、そのバーチャル足を動かして走らせます。実際の足の動きは、バーチャル足の延長線にある感覚です。
LSDで、背中・お腹・お尻辺りの筋肉を一つ一つ確認しながら走る練習を何ヶ月間すれば、感覚がとれるようになります。
④ 量と質のバランス、練習の期分け
「量」を重視する期間と、「質」を重視する期間を分けて、練習の重点を意識しています。
大体2ヶ月毎に目標となる大会を設定し、それに向けて
・量を重視する「基礎練」1ヶ月
・質を重視する「調整期」1ヶ月
を繰り返しています。
「量」を重視する基礎練
この期間の目的は、
1)楽に走る状態を体に覚えさせること
(キロ5:30ぐらいのペースで走っても、基礎代謝状態だと体に錯覚させる)
2)リズム、ランニングフォームを安定させること
です。
なので、
1)毎日、何らかの形で体を動かす
1-2キロでも、水泳でも、階段登りでもOK。
2)頑張り過ぎない
・楽な走りを体に覚えさせるため、息が上がったら休みをとってから再開
・距離走を20-25キロまででも良い。30キロを走ってもゆっくり。
要するに、距離走の翌日でも練習が再びできるよう、足をキープします。
但し、量を重視するので、25キロを週2回やる時もありました。
3)スピード練をあまりしない
基本、キロ5:30ペースぐらいで練習します。
但し、筋肉や心肺機能に刺激を与えるため、時々キロ4:30ペースで、1-2キロを入れます。調子が良くない場合は、200-300メートルでも良いです。
ゆっくりの走りが多いため、7日間の負荷が1500になるには、ランニングだけだと週70-80キロぐらいが必要です。
サブ3.5達成の大会(2021年12月29日)の向けての基礎練期間(2021年11月)の自分のランニングログはこちらです。
距離走が2日間連続した時もあるし、5キロ以下の日も多くありますが、この時期はほぼ毎日走るようにしていました。
「質」を重視する調整期
この期間の目的は、
1)頑張る状態を体になれさせること
2)目標達成のメンタルを鍛えること
です。
レースペースでのシミュレーション練習がメインです。
・30キロ 2時間30分 (5:00ペース)
・20キロ 1時間35分 (4:45ペース)
・10キロ 46分00秒 (4:36ペース)
のメニューのどれかを毎回選んでチャレンジーしていました。
相当ハードな練習なので、
・練習頻度を落として、しっかり休みを4日-5日取ってから、シミュレーション練習に臨む
・タイム未達は当たり前で、毎回少しでも近づくように努力すれば良い。
体がしっかりリカバリーできるように、チャレンジーとチャレンジーの間は一週間ぐらい空けるようします。(大会に向けてのテーパリングも兼ねて)
1回(1ヶ月)の調整期でいきなりこのメニューをこなせることが難しく、自分はこのメニューをこなせるまでは3回の調整期(6ヶ月)かかりました。
⑤ 30キロ以降の対策、その1
自分の場合、疲れ切った状態でもラストスパートをかけられる自信を作れたのはレースの結果につながったと思います。
実際、自分が初めてサブ3.5を達成したレースのログを見ますと、
目標ペースがキロ4:55なのに、25キロ以降は疲れて、ペースがキロ5:20まで失速しました。
35キロ時点ではもう目標タイムから2分ほど遅れました。
但し、最後に絶対ラストスパートをかけられる安心感があったため、諦めずに35キロまで耐えられてきました。
36キロ目からかけたラストスパートは全て取り戻してくれました。平均ペースはキロ4:30でした。
(ラストスパートにしては長すぎるかもしれません。ネガティブスプリントだと考えてもらっても大丈夫です。)
ラストパートをかけられるような練習
普段の距離走の最後に、疲れ切った状態で、最後の1-2キロでラストスパートをかけます。
ポイントは、
1)メンタル的に「別の走り」と錯覚させるため、ちょっとしたスピードアップではなく、メリハリを付けて、その前のペースよりキロ30秒ぐらい一気に速くする
2)辛ければ、1-2キロまでやる必要は無く、「気持ちが切り替えたな」と思えば、200-300メートルでやめても大丈夫です。
要するに、気持ち切り替えの練習です。
⑥ 30キロ以降の対策、その2
気持ちの切り替えが出来ても、体内にエネルギーが残らなければ、ラストスパートやネガティブスプリントをかけられません。
十分なエネルギーを残すには、以下の点に注意する必要があります。
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テーパリング
疲れを抜くために練習量を減らす必要がありますが、具体的にどれぐらいまで減らせばちょうど良いかは難しいところです。
自分の場合、「負荷」に基づいてテーパリングしました。
こちらは、自分が12月29日のレース直前の7日間の負荷ログです。
考え方として、
・自分の7日間の平均練習負荷は1500
・フルマラソン当日で発生する負荷は800ぐらい
ということから、レース前の一週間に負荷を(1500-800)=700ぐらいに落としておけば、体がレース負荷に耐えられるようになります。 -
カーボローディング
昔は、カーボローディングをずっと否定していました。太ってしまい走りが重くなるのが怖かったからです。但し、やってみたら、30キロ以降の調子は断然良くなりました。
ポイントは、レース3日〜1日前に、炭水化物をたくさん摂取するが、油やお肉をなるべく食べないようにします。(脂肪分が貯まるのを防ぐ)
理想のメニューは、
・ラーメンに白ごはん大盛り
・パスタ大盛り
・ピザ
などです。この1-3日間で、体重が1キロぐらい増えてもそれほど問題ありません。蓄積されたグリーコーゲンとそれに付随する水分は1キロ過ぎぐらいあるらしいです。
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水分補給
喉が乾いてから水分を摂るのはもう手遅れです。もう軽い脱水症状が起きて、パフォーマンスが既に落ちています。
かといって、たくさん水分を摂ったらお腹が痛くなったり、トイレに行きたくなったりします。
自分は5-7キロ毎に一回水分補給をします。ポイントは、
・一回に一口まで
・「飲む」より、「口を濡らす」感じ
です。
以上、フルマラソンで自己ベストを目指す方々に少し参考になれば嬉しいです。
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普段は渋谷と日本橋で画像AIベンチャーをやっています。
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