弊社の画像AI・業務効率化DXソリューション導入実績が100社近くになりました。そこで今回は、DX推進を成功させるための3つのポイントを開発事例とともに紹介します。
ポイント1:「量」のある作業から取り組むこと
ポイントの1つめは、ズバリ最初から「量」のある作業・業務の自動化・DX化に着手することです。「まずは、スモールスタート」で始める事を推奨している方もいらっしゃいますが、私は、その意見には反対です。
スモールスタートとして、1日数十件、1回60秒程度の作業に対する自動化に取り組んでも、実務担当者がそれほど効果を体感できず、現場への定着度も低いままであることが多かったためです。
物流センターや事務センターなどの1日に数千件、数万件「量」がある作業を最初からターゲットにしてDX化に取り組んだ方が、実務担当者の関心も高く・取組への協力も得られやすいので、お勧めです。
さらに、将来的なAIソリューション導入に際しての、AIの教師データのためのデータ「量」を取得する仕組みにもなります。
弊社の画像AIによる業務「量」のある作業に対する開発事例を紹介します。
かいとりロボ
・対象業務:中古品査定作業の自動化
・業務量:1日1-2万点
・効果:査定時間約60秒から15秒に短縮(75%減)
・対象業務:申請書の不備チェック作業の自動化
・業務量:1日3-4万枚
・効果:確認時間約20秒から5秒に短縮(75%減)
ポイント2:DXには徐々に取り組むこと
2つ目は、自社のデジタル化レベルに合わせて「DXフェーズの順番」を守って徐々に取り組むことです。
DXツールや、AI自動化の成功例が取り上げられ、導入されたツールに目が行き、つい購入した方もいらっしゃいました。しかし、実際は全く役に立たない・使いこなせない場合がほとんどです。ツールはあくまでも手段であり、ツールを買っただけは、DX化は何も進まないのです。このため、自社のデジタル化レベルに合わせて、まずは、データ記録から始めることが成功のポイントです。
下図にDXフェーズの順番とその順番ごとのツール・取組の例を数字の下に記載します。図の左下の赤い三角形は弊社の事業エリアを示しています。
左から順に解説すると
1)データ記録
まずは、紙・手書き等による記録を、電子化・データ化することから取り組みましょう。
例)POSレジの導入、売り上げ・経費のエクセル管理、報告書の電子化 等
2)データ管理・分析
1)で記録したデータをデータ分析で使いやすい形式に整えましょう。データ化するだけでは、同じ対象を示す値でも、半角・全角・スペースの混在や略称の利用(株式会社と(株))など、記載にブレがあることがほとんどです。社内全体で記載の形式、データ型等を決め、標準化をしましょう。
例)商品マスター 会員マスター など○○マスターの整備。
3)システム統合・最適化
複数の業務システムでのデータを連携させ、横断的に分析できる状態にしましょう。
2)までの取り組みでは、業務システムごとに、データを整える活動でした。3)からは、データ収集元の業務システム以外でも、そのデータを活用するためにタグ付けを行い、データをつなげる作業です。ここまでが一般的に言われるDX化です。
例)在庫管理システム、レジシステム、ポイントシステム、ECシステム これらのシステム間のデータ連携。
4)AI自動化・データ活用
1)~3)までで取得・整理したデータをもとに、ビックデータ分析、AIの教師データとして利用しましょう。逆に言うと、この段階までデータ整備しないままAIを導入しても効果的とは言えません。AIを業務に合うようチューニングするにも何万件もの教師データが必要になるためです。
エーエヌラボでは、自社製品の導入だけでなく、データ管理・分析やシステム統合のフェーズからの参入も可能です。kintone(キントーン)やPOSレジシステムなとの他社製品と連動して動作する業務システムの開発実績もあります。
ポイント3:目に見えない効果:人材育成負担の軽減、スタッフのメンタル・顧客体験向上
ポイントの3つ目は、効果の考え方です。DX・AI導入で得られるのは、目に見える観点:費用対効果・業務効率化の観点のほか、目に見えない効果、従業員のマインド・負荷軽減の効果も高いことが特徴です。その点も効果としてカウントしましょう。
以下に、DX・AI導入で得られる効果を紹介します。
1)人材教育の負担軽減
・100%自動でなくてもAI導入により、新人スタッフ、アルバイトでも対応できる業務が増えます。これにより、一部はベテランスタッフの業務は残るものの、難易度が低いものはAI導入+スタッフに任せ、高難易度な業務に専念することができます。
2)価格を動的に設定できる
・DX・AIツールを導入することで、現場スタッフの経験や勘による値付けから、市場の動きや在庫状況に連動した値付けを戦略的に行うことができます。
3)リモート業務を可能に
・紙の書類を目検・アナログチェックから、紙をスキャンし、データ化することで、リモートで業務を行うことができます。例えば、災害・病気等で事務センターに出社できない場合も、リモートで業務ができ、多様な働き方の提供にも貢献します。
4)集中力の低下防止
・人は同じような業務が連続すると、どうしても集中力が低下し、ミスが起こりやすくなってしまいます。そこで、人のチェックとAIでのチェックを併用し、事前に怪しい個所をアラート表示することで、集中力低下による見逃しミスを防止することができます。
5)リモートで品質管理、ミスパターンの把握
・正常状況(画像や動画)をAIに学習させ、作業中や作業完了後の状況と比較することで、ミスの多い個所が把握できます。このミスの多い個所を研修・訓練のインプットデータとして使うことで、研修制度が向上し、顧客体験への対応品質の向上も期待できます。
開発事例)清掃後の写真を撮影すると、AIが正常の清掃状態と比較し、作業漏れ箇所を指摘するソリューション。
6)作業状況の記録、証跡に
・作業中のところをカメラで記録し、AIが商品のサイズや個数、材質などを取り出し、記録することもできます。トラブル時の証跡にも利用できます。画像から何を特定し。付属情報としてどのデータを表示するかは、お客様の要望に合わせて対応が可能です。
開発事例)トラックからトラックへの荷物の積み替え箇所をカメラ(動画)で撮影し、その動画から、積み替え荷物のサイズ、個数を自動カウントして記録するソリューション。
今回は、DX推進を成功させるための3つのポイントを弊社の開発事例とともに紹介しました。こんな事はできないか?等のご相談もお受けしておりますので、まずは、お気軽にお問い合わせください。
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